あの興奮を何と形容するべきか。
そう思い続けていると月日は光の速度で過ぎ去ってしまう。
記憶とは曖昧なもので大事なものほど言葉にしてしまいたくない。
ただ、それでは当ブログの存在に反してしまうのも間違いない。
もう一度だけ時計の針を巻き戻そう。
あの雨の大阪の夜に。
夏の終わり、雨天続きの8月に響いたSad SongもLove Songもひと際煌めいていた。
オリックス劇場につめかけた観客。
とりわけ2日目を体験したファンは言葉にはしないものの皆一様に笑顔を見せていたのは紛れもない事実だろう。
アイドルのコンサートを始めとしたライブという空間は『現場』と呼ばれる。
ファンがリリース作品を購入する以外で唯一お気に入りのアーティストを生で体感できる空間だからだ。
機材や会場の音響トラブルも相まって吉川自身、満足行く仕上がりではなかったのは自明の理だ。
だが、あんな曲もこんな曲も飛び出してくるという内容は冠こそついていないが「Golden years」シリーズとしても出色の出来だろう。
それくらいにメモリアルなライブではあった。
吉川晃司の長い歴史を鑑みるとどの楽曲が染みるかというのはいつ出会ったかによるだろう。
僕達、Team ImagineメンバーがK2に出会ったのは12年前だった。
擦り切れるほど見たライブのVHS。
シャイネス、ルナティック、クラウディ、ビートスピードを中古で購入してバイクに乗る時のBGMにしていた。
リアルタイムで追いかけはじめた2002年前後からの楽曲には当然、個々の思い出も+されている。
我々のような歴史の浅いファンでもそうだ。
とりわけ30年来のファンには初期のテクノポップな音色は二度と聴けないレア曲ばかりで記憶に刻まれた事だろう。
良い音楽はまるで熟成されたワインのようだ。
まるでボジョレーヌーボーの宣伝文句のように「10年に一度の」「ここ数年で最高の出来」と手を変え品を変えて様々な音楽=ワインを売ろうと世の中は躍起になっている。
それでも我々は知っている。若摘みの音楽の品評も良いがそのフレッシュさだけではなく、歴史に想いを馳せる。
上質とはまるで時を越えるものだと。
そして明日大阪梅田で再び、K2を堪能し酒を酌み交わそうというイベントが開催する。
吉川晃司の下に集まりましょう。