ドリーム・オン | 七つの海をバタフライ -吉川晃司ブログ-

七つの海をバタフライ -吉川晃司ブログ-

異彩を放ちまくりながらも逞しく泳ぎ続ける吉川晃司。
全てのロックレジスタンスどもへ バーボンを傾けながら・・・。

ドリームオン


『Dream on』
意訳:(命令形で)夢で見てろよ!
勝手に言ってろ。
馬鹿野郎が。



「子供に夢を 大人にも夢を」

これは吉川晃司がニコニコ生放送にて30周年特別番組にて語った言葉だ。


子供時代は誰もが夢を見る。
夢だけは誰にも奪えない心の翼だ。
スポーツ選手だろうが、花屋だろうが、教師だろうが、ハリウッドスターだろうが、夢は等しく素晴らしい。
なぜならば、夢は生きていく為のモチベーションになり、目標設定になるからだ。

しかし、夢はあくまで夢。
誰もがスポーツ選手になれるわけでも、ハリウッドスターになれるわけでもない。努力は勿論、才能や運に左右される。

大人はいつから大人になるのだろうか。
社会を知り、その歯車になる中で、身の丈を知り、人は自分が今まで見た夢をいつか諦めていく。
それはいつの頃だろう。

夢を追うことは素晴らしい。しかし、現実はいつも残酷なまでに急き立てる。
20歳を越えてスポーツを始めても選手にはなれない。
夢を見るにはタイムリミットがある。それがいつなのかは分からない。
だがタイムリミットを迎える頃、人は諦めという結論に至ってしまう。

『イン・ザ・ヒーロー』本作ではスーツアクターとしてアクション俳優をしながら、いつか顔の出る役者として映画出演を願う中年、本城ワタルが描かれる。

彼は40代半ばながら未だ夢を捨てきれずにいる。
子供向けの戦隊特撮やヒーローショーでヒーローのスーツアクターを演じながら、いつか来るかもしれないその時の為に日々を生きる。


・子供に夢や希望を与えること
・自分がかつて憧れたブルースリーのような俳優になること


それを夢見ながら生きている。
彼はまだ自分がタイムリミットを迎えていない、チャンスが来るという希望を捨てきれずにいる。

誰もが、いつしか諦めたのではないだろうか。

"大人になる"

という小奇麗な言葉で自己防衛しながら、夢を見ることの素晴らしさや、その為の努力を放棄したんじゃないか。


《人は 見果てない夢に賭け続け 倒れ続け 消えて逝く》
《信じろ 瞳に宿る光 その流行らない愚直さが美しい》


どんな成功者もかつては夢追い人だっただろう。そしてそれを笑うのはいつも夢を見ることの尊さを忘れた人だ。

吉川晃司は知っている。
挫折した者も、夢の途中で亡くなった者も、星の数程見てきた。それでも、自分はまだまだ果てし無く続く夢追い人で有りたいと。

諦めることはいつでも出来る。
夢は、夢を見続ける人間にしか手に入らない。


Dream on
夢見てんじゃねえよ。
馬鹿じゃねえの。

笑えばいい。夢を追わないやつの嘲笑など何の価値もない。
夢追い人には誰かを笑う時間すら惜しい。


僕たちは知ってる。
夢という扉を自ら開き、未だ泳ぎ続ける男を。
身体は言うこときかないなんていいながら、高々とシンバルを蹴り上げる姿を。
その姿は愚かしいほどに美しいことを僕たちは知ってる。